問題ありません、という回答をしないのは、トラブルがないことなんてあり得ないからです.
メリットとデメリットは表裏一体、デメリットがない行為なんてあるわけがないからです.
そして一専門家が網羅している法律は数多ある法律の一部であって、例えば、弁理士は知的財産に関する法律には詳しくても、その他の法域にまで熟知しているわけではありません.
これは弁護士であっても状況は同じです。
仮に問題ありません、と言ったとしても、それは、その人が知る限りの法律において問題ありません、という意味であって、全ての法律に照らして問題ありません、なんていうことはありません.
問題ありません、や大丈夫です、という回答はしないのが当たり前なのです.
そんな人間の曖昧な対応とは逆に、AIは堂々と「問題ありません」と言っていることに驚きました.
そんなこと言い切っていいの?
責任取れるの?
なんて思うわけですが、感情がないAIだから、こんなこと言って大丈夫なのかという不安もなければ、言ったことに対する責任もないわけです.
そしてAIが返す回答の精度が随分と上がっていることに驚くわけですけど、法的なトラブルを問う場合は、その情報の精度を判断する側の能力がないと危険だということです.
実際に幾つかの行為について、法的なリスクの有無について投げかけてみたところ、その根拠となる情報が間違っていたり、法改正前の情報に基づいていたりしています.
AIが吐き出した問題がない、とう回答を信じるのは危険なわけです.
もっとも以前に比べて答えらる範囲も広がり、回答のなかにも、直接的には云々とか、一般的には云々というように、人間的な曖昧さが含まれているのは進歩?していると言えるかもしれません.
法律的に問題がある場合の伝家の宝刀といえば、民法90条の公序良俗違反だったり、民法1条3項の権利の濫用だったりするわけですけど、AIの回答のなかに公序良俗違反を指摘する内容があって、ここにもAIの進歩を感じました.
今のAIのレベルであれば、AIがお墨付きを与えた行為に対する反論は専門家であれば十分に可能です.
さてAIのレベルが上がってくると、審査官の意見に対する応答案を考えてもらったり、相手側からの無効審判に対する答弁書案を考えてもらったりできるわけですけど、今の実務レベルが、それこそ重箱の隅をつつくような反論をしているので、そのような対応を求めるまでには至らないでしょう.
まあ、もうお手上げという場合の反論のきっかけを教えてくれることはあるかもしれないので、そこは期待したいしたいと思います.