|
アメリカ 🇺🇸 |
日本 🇯🇵 |
|
|
制度の位置づけ |
権利行使の前提 |
権利の公示・証明 |
|
訴訟との関係 |
登録が必須 |
登録は不要 |
|
主なメリット |
法定損害賠償、弁護士費用の請求 |
第三者への対抗、著作者の推定 |
|
戦略的重要性 |
非常に高い |
限定的 |
米国:権利行使のための「武器」
アメリカの制度では著作権登録が非常に戦略的な意味を持ちます。
-
訴訟の前提条件: 著作権侵害で訴訟を起こすには、原則としてアメリカ著作権局への登録が必須です。未登録のままでは、裁判所に訴え出ることができません。
-
強力なメリット: 侵害が発生する前、または作品の公表後3ヶ月以内に登録を済ませておくと、以下の強力な救済措置を請求できます。
-
法定損害賠償 (Statutory Damages): 実際の損害額を証明できなくても、裁判所が1作品につき$750~$150,000の範囲で賠償金の支払いを命じることができます。これにより、権利侵害に対する抑止力が高まります。
-
弁護士費用の請求 (Attorney's Fees): 裁判で勝訴した場合、相手方に弁護士費用を請求できます。訴訟には高額な費用がかかるため、これは非常に大きなメリットです。
アメリカでは登録が権利を強力に保護するための「武器」として機能します。
日本:取引の安全のための「公示」
日本の制度は、アメリカとは目的が異なります。
日米ともに、著作権は作品を創作した時点で自動的に発生する「無方式主義」が原則です。
-
訴訟の要件ではない: 日本では、著作権を登録していなくても、侵害に対して訴訟を起こすことができます。
- 主な目的とメリット: 日本の登録制度は、権利関係を公にし、取引の安全を図ることが主な目的です。
- 第三者への対抗: 著作権を譲渡された場合などに、その事実を登録しておくことで、他の権利者に対して自分の権利を主張できます(対抗要件)。
- 著作者の推定: 登録されている者が著作者であると推定されます。
- 保護期間の延長: 匿名やペンネームで公表した作品を実名で登録すると、保護期間が「公表後70年」から「著作者の死後70年」に延長されます。
日本の登録は、権利の存在を証明しやすくしたり、権利移転をスムーズにしたりするための「公示」や「証明」に近い役割であり、アメリカほど攻撃的な機能は持っていません。
中国もビジネスでは登録が不可欠
中国で事業を展開し、ロゴ、キャラクター、製品パッケージ、ソフトウェアなどの知的財産を保護するためには、著作権登録が極めて有効かつ重要な戦略となります。
-
権利の証明: 登録によって発行される「著作権登記証書」は、著作権の帰属を証明する強力な初歩的証拠として扱われます。これにより、権利侵害の立証負担が大幅に軽減されます。
-
権利行使の前提: 著作権侵害に対する行政摘発や、電子商取引(EC)プラットフォームでの模倣品削除依頼の際に、登録証書の提出を求められることが一般的です。
-
冒認商標対策: 他社に自社のロゴやキャラクターを商標として先に出願(冒認出願)された場合、著作権登録を根拠にその商標登録を無効にするための有効な手段となります。
-
迅速な手続き: 実質的な審査は行われず、形式的な要件を満たしていれば比較的短期間(通常1〜2ヶ月)で登録が完了します。
-
ソフトウェアの登録: 特にソフトウェアに関しては、中国国内のアプリストアでの配信に著作権登録が必須条件となっている場合があります。