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「安いニッポン」は特許業界にも?海外からの過剰なディスカウント要求に思うこと

最近、街を歩けば本当に多くの外国人観光客を目にするようになりました。インバウンド盛況の最大の理由の一つは、間違いなく「日本が安くなったから」でしょう。

かつて空前の円高だった時代、あの頃の日本人は、「国内旅行よりも海外旅行の方が安いから」と、こぞって海外へ出かけていました。今、日本を訪れる外国人観光客も、当時の日本人と全く同じ感覚、「自国で過ごすより日本に行く方がお得だから」という動機で動いているのでしょう。

 

この「日本は安い」という現象、実は観光業や飲食業に限った話ではありません。特許業界・知財の分野でも、全く同じことが起きています。
グローバルな視点で見ると、日本の弁理士手数料はすでに海外に比べてかなり「安い部類」に入ります。各国の代理人とやり取りをしていても、日本より安い手数料を提示している国を探す方が難しいくらいです。日本の特許実務の質の高さを考えれば、バーゲンセール状態と言っても過言ではありません。


しかし、現場で直面する現実はさらにシビアです。すでに世界基準で見れば十分に格安な手数料を提示しているにもかかわらず、そこからさらに「ディスカウント」を要求してくる海外の代理人が少なくないのです。
彼らからの要求メールを見るたびに、「世界基準の物価水準で考えて、その手数料で自国の事務所はやっていけるのか?」と疑問に思ってしまいます。


ここで思うことは、一つの「悪循環」です。海外の人々の中で「日本は全体的に安い」というイメージが定着しすぎて、「日本の特許事務所の手数料も(いくらでも)安く叩けるはずだ」という感覚を引きずっているのではないのか。


日本の特許実務は、きめ細やかで非常にクオリティが高いと自負しています。しかし現状は、その「質の高さ」と海外から期待される「価格の安さ」の間に、大きなギャップが生じています。

この円安が永劫に続くとはおもいませんが、一度作られてしまった「日本は安い」という印象はなかなか変わりません。