商標出願における、定番中の定番である拒絶理由。それが「他人の商標と類似している」という通知です。
これに対抗するための武器は、大きく分けて2つ。
-
「不使用取消審判」を仕掛ける(伝家の宝刀)
-
「非類似の主張」で押し通す(正面突破)
相手が商標を3年以上使っていない場合、その登録を取り消すことができるのが「不使用取消審判」。
まさに伝家の宝刀ですが、実はこれ、かなりの博打要素を含んでいます。なぜなら、勝つか負けるかは「相手がどう反応するか(使用を証明できるか)」という相手の手札次第だからです。
【事前のリサーチが命】 事前にネットや現地で徹底的に使用調査を行い、「これはいけそうだ」と判断できて初めて、依頼者に提案します。
言ってみれば「他力本願」な方法ではあるのですが、ありがたいことに、ここ最近の私の戦績(結果)はかなり好調です。
不使用取消が使えない場合や、依頼者がどうしても「似ていない」という方向で戦いたい場合は、正面から「非類似の主張」をすることになります。
……が、これはハッキリ言ってすべてが高難易度です。
だって考えてもみてください。知財のプロである審査官が「似ている」と言ってきているわけです。正直なところ、「いや、確かにこれ似てるわ……」と、こちら側(弁理士)も心の中では同じ感覚を抱いていることがほとんどです。
毎回「これは難しいなぁ」と頭を抱えるわけですが、ここからが弁理士の腕の見せ所。
弁理士は、「僅かな違いを誇張すること」が大の得意です。
-
見た目のほんの少しの差(外観)
-
響きのわずかな違い(称呼)
-
そこから受ける印象のズレ(観念)
- 審査官の主張のわずかな揺れ(これを突くのが肝)
これらをあの手この手でクローズアップし、ロジックを組み立てて審査官に「ほら、全然違いますよね?」と主張します。
これが認められて拒絶理由を覆せたときは、まさに弁理士冥利に尽きる瞬間。ちなみに、こちらも私の勝率は半分以上をキープしています。
「非類似の主張」には、ある程度の型(フレームワーク)は存在します。しかし、最終的に審査官の心を動かすのは、マニュアル化できない属人的なひらめきやロジックの組み立て方です。
「どこをどう誇張すれば、相手が納得するか」
この泥臭くもクリエイティブな生身の人間と人間との駆け引きの領域には、AIは入り込めません。
Global IP & Customs Enforcement
海外展開・知財対策でお悩みの方へ
TANAKA Law & Technologyでは、中国・米国をはじめとする各国の商標・特許出願から、模倣品の水際対策(税関輸入差止)まで、貴社のグローバルビジネスを強固な権利で守ります。まずはお気軽にご相談ください。